Advanced Editor Tools は 7.1 で本文が出ない

清水 風音PatchOn 開発者

Advanced Editor Tools は 7.1 で本文が出ない

WordPress 7.1 に上げたあと、投稿を開いても本文が表示されない、という報告が 8/19 から出ています。Advanced Editor Tools(旧 TinyMCE Advanced)の「クラシック版の段落」ブロックを使っているサイトです。有効インストールは 100 万以上あります。

ただ、ビジュアルエディターに出ないだけで、本文は消えていませんでした。コードエディターに切り替えれば全部残っていて、公開ページも変わりません。

7.1 と 1 つ前の 7.0.4 を手元に立てて、同じ投稿を両方で開いて比べてみました。以下はその結果です。

リスト表示から選べば、7.1 でも変換できる

  • すでに 7.1 なら、リスト表示からブロックを選んで「ブロックへ変換」する。編集画面のブロックは高さが 0 になっていてクリックできないので、上部の「ドキュメント概観」からリストを開いて選びます。あとはブロックの ⋮ から「ブロックへ変換」
  • 本文をすぐ見たいだけなら、コードエディターに切り替える。本文はそこに全部残っています
  • まだ 7.1 に上げていないなら、上げる前に変換しておく。上げてからでも変換はできますが、投稿の数だけ手数が増えます
  • 本文は残っているので、バックアップからの復元は要りません
WordPress 7.1 の編集画面。左のリスト表示で「クラシック版の段落」を選び、ブロックのオプションメニューに「ブロックへ変換」が並んでいる
本文は見えないが、リスト表示からなら選べる。変換はここから

見えなくなるのは編集画面の中だけ

Advanced Editor Tools は、ブロックエディターの中で昔ながらの TinyMCE を使い続けるために「クラシック版の段落」というブロックを足します。クラシックエディターから移ってきたサイトが今も使っていて、日本語の解説記事も多く出ています。

ところが 7.1 に上げると、そのブロックが編集画面から見えなくなります。手元の 7.1 で同じ投稿を開いたところ、クラシック版の段落は高さ 0 ピクセルに潰れて、中の TinyMCE は 1 つも読み込まれていませんでした。フォーラムでは高さ 1 ピクセルの線として見えたという報告のほか、TinyMCE のツールバーが描画されない、編集画面が真っ白なまま開く、新しく挿入することもできない、といった見え方が並んでいます。400 以上のサイトを抱えるマルチサイトで多数が該当したという報告もありました。

WordPress 7.1 の投稿編集画面。標準の段落ブロックは表示されているが、その間にあるはずのクラシック版の段落は何も表示されていない
WordPress 7.1。標準の段落 2 つの間にクラシック版の段落があるが、高さ 0 に潰れて何も出ない

ただし、データは無事でした。手元の 7.1 でもコードエディターに切り替えると本文がブロックごとそのまま入っていて、公開ページの表示も変わりません。フォーラムを見ても、公開ページ側が空になったという報告は 1 件も出ていません。壊れているのは編集画面のビジュアル表示だけで、保存されている本文には何も起きていません。

同じ投稿をコードエディターで開いた画面。wp:tadv/classic-paragraph のブロックコメントと本文がそのまま表示されている
同じ投稿のコードエディター。本文はブロックごと残っている

原因は編集画面が必ず iframe になったこと

7.1 の変更の 1 つに、投稿エディターを必ず iframe の中で動かす、というものがあります。7.0 までは、本文に入っているブロックの作りやテーマの種類を見て、iframe に入れるかどうかを切り替えていました。7.1 からはその切り替えが無くなり、条件に関係なく必ず iframe に入ります。この変更は 2025 年 11 月から 3 回、コア側で予告されていました。

実際、手元の 2 つを並べると差がはっきり出ました。7.0.4 では同じ投稿が iframe に入らず TinyMCE のツールバーもそのまま出ましたが、7.1 では同じ投稿が iframe に入ります。iframe の中は管理画面とは別の document として扱われるので、古い世代の作りのままのクラシック版の段落は、TinyMCE をそこに取り付けられません。だから枠だけが残って、中身が描画されません。

WordPress 7.0.4 の投稿編集画面。同じ投稿でクラシック版の段落が TinyMCE のツールバーごと表示されている
1 つ前の 7.0.4。同じ投稿がツールバーごと普通に出る

起きるのは 2 つ揃ったサイトだけ

この症状が出るには 2 つ揃う必要があります。

  1. WordPress が 7.1
  2. 投稿本文にクラシック版の段落、またはクラシックブロックが入っている

なお、Advanced Editor Tools を入れているだけなら関係ありません。ツールバーの拡張だけ使っていて本文が標準ブロックなら、7.1 に上げても何も起きませんでした。1 つ前の 7.0.4 で止まっているサイトも同じで、手元の 7.0.4 では同じ投稿がツールバーごとそのまま編集できました。WordPress は 7.0 にもセキュリティ修正を配っているので、変換をすぐにやれないなら 7.0.4 のまま待つのも手です。

かといって、プラグインを無効化すれば済む話でもありません。無効化しても保存済みの本文にはブロックのコメントタグが残るので、既存の記事は結局 1 本ずつ直すことになります。フォーラムでも、新しい記事は標準ブロックで書きつつ、既存分は順に変換していく、という進み方でした。

プラグイン側の修正は、まだ出ていない

プラグインページを見ると、最新版は 5.9.2 で更新は 9 か月前、動作確認済みと書かれているのも 6.9.7 までです。8 月に立った 4 つのスレッドには、どれも作者からの返信がありません。

加えて 8/24 には、この件でコアの Trac にチケットが立ちましたが、翌日にはコアのコミッターが対象外としてクローズしています。Advanced Editor Tools はコアチームが保守しているプラグインではなく、Trac はコア本体の課題を扱う場所だから、というのが理由でした。一応、チケット自体はコアの開発者向けチャットにも共有されています。

また、フォーラムには有志が書いたパッチが 2 つ出ていますが、片方には効かなかったという報告がすでに付いていて、もう片方は本文からブロックのコメントタグをまとめて取り除くものでした。お試しで入れてみるのも手ですが、作者以外が書いたコードなので、バックアップ後にやるのが無難です。

正直、修正がいつ来るか分からない以上、待つより変換してしまう方が早く終わります。手元で変換したときは太字もリンクもそのまま残って、公開ページの表示も変わりませんでした。もし、自分のサイトが今どの版で止まっているか知りたい方は、WordPress 年式診断に URL を入れてみてください。

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